1943年になり、チャンドラ・ボースが来日して、インド独立連盟総裁・自由インド仮政府首班に就任した。ナイルはチャンドラ・ボースと意見が食い違うこともあったが、インド独立と東南アジア在住のインド人のための活動は継続していた。
　終戦後のナイルは、東京裁判のため来日したパール判事の日本調査に協力した。
この縁で、1952・1953・1955年にパール判事が来日したとき、ナイルは同行して講演の通訳など多数のサポートをした。また、日印平和条約締結のためK.K.チュトゥールに請われて非公式の顧問に就任し、インド政府に多くの情報提供とアドバイス※3をしている。
　ナイルが日印平和条約の仕事をしていた1949年に現在の銀座にて日本初の本格インド料理店「ナイルレストラン」を開業した。日印平和条約締結後、在日インド人会会長を務めるなど日印親善に大きく貢献し、またインド独立運動の功績が認められナイルは1984年には日本国天皇陛下より勲三等瑞宝章を授与された。
　1990年4月22日、故郷トリヴァンドラムで亡くなった。